職域争い

最近は新聞報道でも弁護士の不正記事やロースクールに絡む法曹界を取り巻く状況の変化について書かれた記事をよく見かけます。端的にいえば弁護士の登録者が増えすぎた、それに伴う就職先の受け皿がないといった話だと思います。しかし、苦しいのは弁護士だけではありません。他の資格であっても、今は資格を取れば豊かになれるというのは完全な時代錯誤です。それを端的に示しているのが、隣接資格との職域争いです。会社設立業務に関しても、特に司法書士会と他の隣接資格との熾烈な争いがあります。情報も交錯していてどこが正しいのかすら判断が難しくすらなっています。

いくつかあげてみると、公認会計士は登記が出来るのか?司法書士は定款作成を行っていいのか?行政書士は登記書類を作成してもいいのか?といった問題があります。

このあたりの議論はネット上では出来るという人もいれば、出来ないという人もいる、少しひも解いてみると、かれこれ60年ほど前、戦後間もなくの通達(法律ではない)を根拠にしているので、現状も同様に解釈していいのか分からない問題であったり、知らずに手続きが済んだ場合はお咎めはしないといったあいまいな法務省の回答などが出ていたりします。

一方で行政書士会のホームページには会社設立は行政書士の代表的な業務などと大々的に宣伝しているなど、一体全体どうなっているの?という状況です。

会社法の成立以来株式会社の設立のハードルがぐっと下がったため、会社設立を業務の主軸に置く士業事務所も多いと思いますが、かなりの部分は税理士事務所、会計事務所系列の事務所が行っているのではないかと思います。これが原因で現在の熾烈な争いにつながっているのではないかとすら思われます。

他の事務所のホームページやブログをみると、中には本当に品のない、単なる他資格の悪口でしかないようなアピールをしている方すら存在しています。

職域それに絡む政治的な判断などもあり、複雑な問題なのだと思いますが、何か明確な見解というのがほしいところです。