会社の決算期

こんばんは。行政書士の武田です。

会社の設立というのは一般の方にとっては非常に複雑に思われる書類を多数作る必要があります。定款の作成から始まり、登記関係書類まで、なかなか一般の方には分かりにくいケースも多いかと思います。もちろん、無事会社設立が完了した後も、税務署や社会保険事務所等への提出書類は多数あります。だからこそ、専門家へ依頼したほうが便利という宣伝文句になるわけですが、私どものように会社の設立業務ではなく、会計事務所の業務として顧問契約や申告業務を請け負う場合、必ず定款と登記簿謄本のコピーを頂き、会社の所在を明らかにしてから業務を開始するわけですが、その場合、様々な定款を目にします。多くの場合はきちんと作成されているのですが、稀に明らかに知識不足に起因する定款に遭遇することがあります。

その中でもよくあるのが会社の決算期の決め方です。通常、会社の会計期間というのは1年区切りで設定します。当社のグループ企業であります、株式会社ひかりアカウンティングであれば、会計期間は9月1日から8月31日となります。決算月をいつにするかは会社の自由です。当社の場合、通常業務が最も暇そうな8月を決算月に設定しています。では設立初年度はどうするかといいますと、こちらも、ひかりアカウンティングの例を示すと、設立日は平成26年5月7日ですが、一期目の決算を平成26年8月31日とする旨を定款に記載します。これで1期目は設立日から8月31日となり、以後は9月1日から8月31日までの会計期間を繰り返すことになります。これが通常の定款に記載の仕方です。

しかし、稀に会計期間を設立日からちょうど1年後に設定するものがあります。例えば、平成26年5月7日設立の会社であれば会計期間を平成27年5月6日までと定款に記載するケースです。

もちろん、定款自体は間違いではありませんし、会社法をはじめとする企業法に抵触するものでもありません。しかし、このような会計期間を定めると、会社は毎年、5月6日という中途半端な日付をもって決算を行う必要があります。ビジネス嬢と取引は月末を何らかの締めとするケースが多く、決算が非常に煩雑になります。例えば未払い金のケースがあります。未払い金とは既に利用したがまだ支払いが終わっていない費用を未払いとして計上するものですが、月末締めであれば翌月の請求書を確認すれば金額は確認できますが、6日が決算日であれば、1日から6日までの請求分はよく翌月にならなければ把握できません。

なぜ、このような会計期間を選択するのか。これは単純に会計の知識不足から生じたものだと思われます。単純に1年間にすればいいという発想からなったのでしょう。

会社設立代行は通常行政書士や司法書士が行うケースが多いかと思います。定款の文言次第ではその後の御社の運営に大きな不利益が発生するケースがあります。専門家にも得意分野は様々です。資格だけで依頼するのではなく、所たる業務としての取り扱い内容を吟味したうえで依頼することも大事だと思われます。